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棚から1冊~『おっぱいとトラクター』 2011/10/18

Posted by Master in From my bookshelf..
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『おっぱいとトラクター』
マリーナ・レヴィツカ 著
青木純子 訳
集英社

齢84歳の父が後妻に選んだのは36歳のダイナマイト巨乳美女。
財産目当てがミエミエなのに、当の父は乳に目がくらんで、周囲の心配はどこ吹く風。
こりゃヤバイ!と娘二人はこの女の追い出し作戦を決行するものの、父親の天然ボケっぷりや近隣住民の引っ掻き回しもあって苦労の連続。
しかもこの強欲女はかなりの曲者ときた。
はてさてこの父娘たちに安息は訪れるのか!?

***

原題を直訳すれば「ウクライナにおけるトラクター小史」。
しかしこの邦題は、「なんじゃこりゃ?」的な興味をそそる秀逸なタイトルだと思います。

舞台はイギリス。
旧ソ連からイギリスに移り住み、それなりに落ち着いた暮らしを営んでいた一家が、父親の再婚騒動で揺れに揺れます。
全体にコメディ小説な流れで、笑いどころには事欠きません。
父ちゃんの変わり者っぷり、巨乳美女のどぎつさ、対称的な性格の姉妹、お人好しの娘婿、お節介な隣人、各キャラクターも役割分担がキチッとできています。

この作品がただのコメディに終わっていないのは、祖国での第二次大戦下の苦難生活や母親の死を発端に深まってしまった姉妹の溝、移民同士の繋がりなどシリアスな要素が全体を引き締めているからでしょう。
結末も余韻を感じさせ、まずまずの面白さでした。

著者レヴィツカ氏の自伝的要素(ドイツ生まれ、ウクライナ育ち、イギリス在住)も多分に盛り込まれているようで、ストーリーに立体感とリアリティを与えています。
本書がデビュー作とのことですが、以降の作品もぜひ読んでみたくなります。

私的評価=★★★☆+

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