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棚から1冊~『朗読者』 2012/01/02

Posted by Master in From my bookshelf..
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『朗読者』
ベルンハルト・シュリンク 著
松永美穂 訳
新潮社

15歳のある日、ぼくは母親と言ってもおかしくない女性に出逢い、彼女を愛してしまった。
逢瀬を重ねる中で彼女はぼくに本の朗読をせがむようになった。
「あなたはいい声をしているから」
求められるままに朗読し、二人の時間が色濃くなっていった時、突然彼女は姿を消した。
狂おしい喪失感は耐え難かったけれど、学業や友人付き合いに何とか紛らせ、大学に進学して司法を学ぶようになり、そんな日々の中で偶然に彼女と再会することになった。
とある裁判の場でぼくは学生として傍聴席にいた。
そして彼女は被告人席にいたのだった…。

2009年に『愛を読む人』(ケイト・ウィンスレット主演)という邦題で公開された映画(未見)の原作でもあります。
250ページ弱の中編ですが、三部にわかれた構成はよく練られていて、なかなかにドラマチックな展開を見せてくれます。
第一部では少年ミヒャエルと不思議な女性ハンナとの出逢いから、突然の別れまでが描かれ、第二部では成長したミヒャエルと思いがけぬ再会と裁判劇が、第三部では更にその後の日々が綴られます。

少年と大人の女性との情事、ドイツ人がドイツ人を裁く戦犯裁判、ハンナが秘めた苦悩、ミヒャエルの葛藤、絞り込まれた要素が読む者の興味を刺激して、スリリングで飽きさせません。

ハンナはなぜミヒャエルに朗読して欲しかったのか?
ハンナはなぜ戦犯として裁かれることになったのか?
ミヒャエルがしたことと、しなかったこと、どちらがハンナを傷つけたのか?
ユダヤ人を虐殺したドイツ人は、その行為をどう感じていたのか?
もしも愛する人が戦争犯罪者だったら、自分はどうするか?
愛する相手を救えると知っていても、相手がそれを望まなかったら、それでも相手を尊重するだろうか?
いろいろ考えどころが多い作品です。

私的評価=★★★☆

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コメント»

1. 猫大好き!! - 2012/01/02

(∩´∀`)∩新年明けましておめでとうございます♪
本年度も宜しくお願い致します♪

うぬぅこの本は後半重い内容のようですねぇ…戦争、勝っても負けても傷跡しか残さないですね。愛と平和は永遠のテーマですが人類全体で実現せねばですね!!
声と言えば取引先の事務所の女性が声が綺麗で電話するたびに【萌】でございますwww

Master - 2012/01/03

>猫さん
☆謹賀新年☆
今年もよろしくお願いします。

戦争と平和、愛についてなど、深遠で抽象的になりがちなテーマを日常生活レベルで(と言ってしまうと些末な感じになっちゃうけど)考えさせられる作品でした。
バタバタと慌ただしい時期にずいぶん重い本を読みはじめてしまったな~と思いつつも、ページを繰る手が止まりませんでした。

2. 旅 - 2012/01/03

明けましておめでとうございます♪

今年も宜しくお願いします ^^

Master - 2012/01/04

>旅さん
☆謹賀新年☆
今年もよろしくお願いします。
穏やかな年になるといいですね~。

3. よんぎぃ - 2012/01/04

ゴアイサツが遅れました。

明けましてオメデトウございます。

最近、トシのせいか、パソコンのキーを打つのに、
かなりの勇気を必要とするようになりましたし、
下の毛に白いヤツがかなり増えてきました。
…てなワケで、ネットの世界から離れがちになっていて
『これではイカン!』と自分を叱咤いたしております。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 

Master - 2012/01/04

>よんぎぃさん
☆謹賀新年☆
こちらこそよろしくです。

PCを新調したので、セッティングに時間を取られて、まだネットも繋がらない状態で(笑)。
下 の毛はじっくり見とらんですが、色よりも数が問題…いやいや!

4. しまこ - 2012/01/04

新年のご挨拶に☆
今年もよろしくお願いしますm(_ _)m

私もこの映画は見ていませんが原作は読み応えがあるようですね
映画も半々、迷ったんですが、そうかーやっぱりいいのかなぁ?(なにヒトリゴトを 笑)

Master - 2012/01/04

>しまこさん
☆謹賀新年☆
はるばる千葉までご挨拶恐縮です(笑)。
今年もよろしくお願いします!

うん、なかなかに読み応えありましたよ。
この本と共に年越しでした。

5. 暗ヲ - 2012/01/04

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます(^O^)
今年もよろしくです。
この原作も映画もみておりませんが、たしかこの本話題になりましたよね。

Master - 2012/01/04

>暗ヲさん
☆謹賀新年☆
はい~、こちらこそよろしくお願いいたします。

日本でもだいぶ売れたようで、ブックオフでは105円コーナーにずらりと並んでいます。
ドイツのユダヤ人迫害を扱った映画原作としては『戦場のピアニスト』と並ぶ秀作と思います。

6. ひま♪ - 2012/01/05

遅ればせながら参上

改めて、明けましておめでとうございます(^^ゞ
また来年もこの言葉を言えることを願いつつ。。。今年も宜しくお願い致します。

つか、新春初記事に棚から一冊を持ってくるとこがあひるっちらしい
誰も突っ込まないから突っ込んでおくことに(笑)

Master - 2012/01/05

>ひまちゃん
☆謹賀新年☆
今年は喪中欠礼が例年以上になっているだろうね。
穏やかな年になるといいな。
今年もよろしゅう!

記事?
まぁね(笑)。
少なくとも三人は内容に触れてくれたし。
ひまちゃんはこの映画は観たのかな?

7. ひま♪ - 2012/01/05

愛を読むひと‥‥観てますね^^
ミヒャエルが愛するハンナのもとへ、必死で自転車を走らせている姿が甦ります。
15才と36才。あり得る愛でしょう。
あちらは発育良いし、女性も30半ばならまだまだ美しい。

小説のような細かい描写は期待出来ないのが映画ですが、かなり切なかったな。
で、どうしてミヒャエルに読ませていたのでしたっけ?

Master - 2012/01/06

>ひまちゃん
観たんだ☆
小説の行間からもミヒャエルの想いが伝わってきたよ。
歳上の女性への憧れ……(遠い目)。

ハンナがミヒャエルに朗読させた理由?
あーた、それこそがこの作品のキモやないかい(^o^;)
ネタバレ承知で言ってしまうけど、ハンナは読み書きが出来ない「文盲」だったのよ。
その事実を他人に知られたくなかった故に、裁判では自分に不利な証言を認めて刑を受け入れ、事実を知ったミヒャエルはハンナが望んでいるのは真実が公にされることではないのではと苦悩する。
これは苦しいよな…。


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