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生誕100年 ジャクソン・ポロック展 2012/04/25

Posted by Master in Art, Down on the corner..
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美術館に足を運んで鑑賞する目的は何でしょうか?
自分の場合、それは作品のスケール感を体感することが一番の目的です。
もちろん、質感や筆致、色彩なども「実物」でしか判らないものですが、スケール感だけは印刷物や映像メディアでは決して伝わってきません。
ゴーギャンの『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』を目の当たりにしたときの衝撃、シャガールの『彼女をめぐって』に見られるダイナミズム、かくも小さなキャンバスに描かれていたことに驚いたフェルメールの『レースを編む女』…。
美術館はそんな作品の「リアリティ」を身をもって知ることができる場所なのです。
※※※※※

そこでジャクソン・ポロック。
マーク・ロスコと並び1940年代~1950年代にかけてニュー・ヨークを席巻した抽象派画家として名を馳せ、44歳の若さで事故死したポロックの回顧展が竹橋の国立近代美術館で開催されています。
国内外から約70点の作品を集めた大規模なものだそうで、初期の具体的なモチーフを描いていた作品から時系列に鑑賞できるのが興味をそそります。
いざ、中へ。

回顧展の構成は4つの章立てになっており、「1930-1941 初期・自己を探し求めて」と題された第1章は、NYでの修行時代を経て展覧会で巨匠たちと肩を並べるまで。
ここで最も印象に残ったのは『西へ』。
月夜の荒野を行く幌馬車隊でしょうか。何やら不穏な空気が漂う色使いと筆致が妙に心に残りました。

第2章は「1942-1946 形成期・モダンアートへの参入」。
表現の対象はどんどん抽象的になり、ポロックならではのポーリング技法が生み出されるまでが紹介されます。
中でも『ポーリングのある構成Ⅱ』、やはりこれには目を惹かれました。

「1947-1950 成熟期・革新の時」と題された第3章は、万人がイメージするであろうポロック・スタイルが確立された時期。
展示の目玉は約200億円の評価額がついた『インディアンレッドの地の壁画』でしたが、個人的に目に焼きついたのは『ナンバー7(1950)』。
金と銀を思わせる色使いとスケール感が、どことなく日本の屏風絵のようで印象的でした。

第4章は「1951-1956 後期・晩期・苦悩の中で」と位置づけられ、アルコール依存症の再発と低迷に悩まされる中で新たな方向性を模索していた時期になります。
黒いエナメル塗料を使い、再びモチーフのはっきりした作品に活路を見出そうとしますが成功には至りませんでした。
『ナンバー7(1952)』

1956年、44歳で事故死したポロック、その絶頂期はわずか数年。
彼が描き出す抽象作品の意図や、彼が託した想い、時代性などは正直言ってよく理解できません。
もっともらしいことを言って、後で「ごめんなさい、この絵は天地逆でした」と言われて赤っ恥をかくつもりもありません。
ただ、無作為にぶちまけられたように見える塗料の重なりが、ある意味「文句あるか」的な説得力を放っているのは感じられました。
そして、画集からは決して感じられないリアルなスケール感も。

順路の最後にはポロックのアトリエが再現されており、ここだけは写真撮影が許されていました。
写真を撮ってくれた綺麗なお姉さん、ありがとうございました。

東京展は5月6日まで。
興味のある方はお早めに。

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コメント»

1. うさぎ - 2012/04/25

私は昨日観に行ったんですが、私の中では近年の都内の企画展では洋モノ部門では一位にランキングしています。それ位よかったです。一生の記念になりました、特にテヘランから来た作品見れただけでも満足。

Master - 2012/04/26

>うさぎさん
確かにあのイランからの来日作品は一見の価値ありですね。
あれほど濃密なものとは思いませんでした。
25日は恐らく国立新美術館で初日を迎えた『大エルミタージュ美術館展』に美術ファンが流れたと思われ、ポロックは比較的ゆったりと鑑賞できました。
次に狙っているのは千葉市美術館で開催中の『蕭白ショック!!』です。

2. ひま♪ - 2012/04/26

あ、あひるさんだ
あひるっちが絵描きさんみたいだね。

スケールを感じることが出来て良かったね
映画も映画館ならではのスケールがあるように、やっぱりスケールは大事ってことで〆
って、何が言いたいのか自分でも解らない(笑)

芸術は爆発だ

Master - 2012/04/27

>ひまちゃん
路上の似顔絵描き?売れない漫画家のアシスタント?

理解できないまでも、何かを感じることはできたよ。
ひまちゃんも行ってくれば?
陶芸の彩色するときのヒントにひらめくものがあるかもよ。


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