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棚から1冊~『緋文字』 2012/05/28

Posted by Master in From my bookshelf..
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『緋文字』 The Scarlet Letter
ナサニエル・ホーソーン 著
鈴木重吉 訳
新潮社

17世紀、ニュー・イングランドのピューリタン社会で、姦通の咎を受けた女性が負うことになった罪と罰。
厳格な環境に身を置いて、好奇と蔑みの目に晒されながらも、彼女はその地に留まり決して不義密通の相手の男の名を告白しようとはしなかった。
「生きている限り、姦通を意味する『A(adultery)』という文字を赤く縫い取りした服を着なければならない」
裁判で屈辱的な罰を受けた彼女はどんな人生を送ることになったのか?
彼女と嬰児に赦しの時はやって来るのだろうか?
彼女の尊厳は保たれるのか?

※※※※※

故国イギリスで医師と結婚したヘスターは夫に先んじて植民者として新大陸に渡りました。
若く情熱に溢れる妻は、夫を待つ間にある男と関係を持ち、女児を出産します。
厳しい戒律に縛られる清教徒にとって姦淫は重罪、裁判にかけられて有罪を言い渡されてしまいます。
彼女が見せしめに民衆の前に引き出されたその日、ようやく新天地に到着した夫は妻と見知らぬ嬰児が晒し者にされているのを目の当たりにしたのです。
夫は名を変えて妻の不義相手を探し始め、ついに探し当てた男を追い詰めていきます。
そして…。

といった感じで話が進むのですが、ヘスターの罪悪感描写や、精神的に追い詰められていく男の苦しみは、半端なサイコ・ホラー以上の緊迫感に溢れています。
あまり馴染みのない宗教観に戸惑いながらも、次へ次へとページを繰るのは苦にならないくらい引き込まれました。
読んでいて息苦しくなるような圧迫感は、例えて言えばバーグマンの『ガス燈』のような感じ。
ヘスターにとっての心の拠り所となるはずの娘さえもが、ことある毎に犯した罪を思い知らせる存在になっている点も何とも言えません。

私的評価=★★★★

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コメント»

1. 暗ヲ - 2012/05/29

「緋文字」読んでないけど、「ガス燈のような感じ」でふむふむなるほど、と思ったけど、次の瞬間愕然としました。
「ガス燈」観てなかった…今まで「凱旋門」とごっちゃになってました。
同じバーグマンとシャルル・ボワイエだし(^_^;)

Master - 2012/05/29

>暗ヲさん
バーグマン、好きなんですよ♪
『ガス燈』、『凱旋門』、『間奏曲』、『汚名』、『カサブランカ』。
理知的な美人ですよね~。

この小説のヒロインのイメージに合うかも。


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