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『星の旅人たち』鑑賞 2012/07/30

Posted by Master in Movies.
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『星の旅人たち』 The Way (2010 / U.S.A., Spain)
監督:エミリオ・エステベス
脚本:エミリオ・エステベス
製作:エミリオ・エステベス、フリオ・フェルナンデス、デヴィッド・アレグザニアン
出演:マーティン・シーン、エミリオ・エステベス、ヨリック・バン・バーヘニンゲン、デボラ・カーラ・アンガー、ジェームズ・ネスビット、他
鑑賞:劇場

疎遠になっていた息子の死を機に、家族や人との結びつきを見つめなおす父親の探求の旅を描いた作品。

妻と死別しアメリカで独り生活を営む眼科医トム(シーン)は、ある日息子ダニエル(エステベス)が異国の地で死亡したという報を知らされ混乱する。
フランスとスペインの国境ピレネー山脈で息子は何をしていたのか?
彼の地へ赴いたトムはダニエルが聖地巡礼の旅をしようとしていたことを知り、今更ながら息子のことを理解しようとしなかった自分を省みて、ダニエルの遺灰と共に彼が成し得なかった巡礼の道を歩こうと決心する。
目的地スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまではおよそ800kmの道程。
眼前に続く「道」は厳しく長い…。

※※※※※

抑制の効いたシーンの父親役が素晴らしく、旅を通して徐々に心を開放していく姿が印象に残ります。
ダニエルの姿を追い求めることしか念頭になかった彼が、いつしか道連れとなった同行者にも眼差しを向けるようになる過程がいい。
誰もがストイックな宗教観を持って巡礼に出るわけではなく、それぞれが考えや目的を胸に過酷な道を歩いていきます。
トムと道連れになったのは減量が目的だと言う陽気でドラッグ愛好者のオランダ人ヨスト(バーヘニンゲン)、巡礼を終えたら禁煙すると言うヘビー・スモーカーのカナダ人サラ(アンガー)、思うように作品が書けなくなり心機一転を図ろうとするアイルランド人ジャック(ネスビット)の三人。
この三人にも表層には現れない過去や未来への思いがあり、掘り下げが充分ではないものの、それぞれが愛すべきキャラクターとなっていました。
物語の導入部で死んでしまうダニエルも父の旅の途上で幻影となって姿を現し、トムは失われた時間を取り戻すかのように巡礼路を共に歩き続けます。

スペイン北部から西部にかけての雄大な風景、各地での生活や忘れえぬ人たちとの触れ合いなど、とても興味深いシーンやエピソードが満載。
どんな人にもそれぞれの人生があり、望むと望まざるとにかかわらず、唯一無二の自分の生きる道を歩いている…そんな思いをかみしめながらストーリーに引き込まれていきました。
奇しくもダニエルがトムに言う台詞。
「人は人生を選べないんだよ、父さん。ただ生きるだけなんだ」。
…いや、まったく。

思いがけない危機、あわや友情崩壊?といったさまざまなエピソードを重ね、一行はついに巡礼の終着地であるサンティアゴ・デ・コンポステーラの聖堂に到達します(困難だと言及されるわりに、トム一行の足取りが最後まであまり変わることがなかったのがちょっと不自然?)。
天井から吊り下げられた大きな香炉を振り子のように揺らす、独特の儀礼はそれだけで見ごたえがありました。
本来ならそこで別れるはずのヨスト、サラ、ジャックの三人ですが、途中のロマの集落で出会った男の言葉からその先へ歩を進めるトムに、誰が言うこともなく同行することに。
これがまた、旅の中で培われた友情を感じさせてくれる、いいエピソードになっているんだなぁ。
長い道の果てに海と出会い、一応のけじめをつけたトム。
しかし道はそこで尽きたわけではなく、トムにとっての(もちろん他の三人にとっても)「人生の道」は続いていきます。
決して感傷的にならず、また巡礼とは言え宗教臭くなることのない、清清しい気持ちでエンドロールを迎えることができた作品でした。

劇中の音楽が上手くシンクロしていないような部分があってちょっと残念でしたが、ロマの宴のシーンは情熱と哀愁がミックスされた音楽が効果的でよかったですね。
また、アラニス・モリセットのヒット曲”Thank U”が意外な場面で流れてきて、こちらは映像と上手く融合していたのも特筆しておきたいと思います。

私的評価=★★★☆+

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コメント»

1. ひま♪ - 2012/07/30

あぁ!!
これは必ず観ようと思ってます。

私はいつか巡礼の旅をしたい人ですから。
ここに行けたら良いけど、絶対無理なので目標は四国で

私の興味のツボにマッチするかしらん

アラニス・モリセット‥‥
この映画の挿入歌と知り、この前YouTubeで聴いてました。
好きだなぁ〜

Master - 2012/07/30

>ひまちゃん
お遍路さんかい?
でも、聞くところによると四国の札所巡りの方が1200kmくらいあって、はるかに長距離歩かなくちゃならないらしいぜ。
ま、関野吉晴さんのグレートジャーニー53000kmに比べればお茶の子か?
旅人ひまちゃんなら、映画も巡礼もぜひお試しを☆

アラニス・モリセットはベスト盤を1枚だけ持ってる。
久しく聴いてなかったから「えーと、何だっけ?」って思い、帰宅してから思い出した(笑)。

2. 暗ヲ - 2012/07/30

へえ、親子が親子役やってるんですね。マーティン・シーンの一家はチャーリー・シーンも含めて共演が多い気がしてたんですが、親子役はそうないかも。監督脚本製作も息子さん自身てことは息子さんがお父さんと映画作りたかった…どんな思いがあったのかなあなんて思ったりしますね。

Master - 2012/07/31

>暗ヲさん
そう、親子共演。
よそにも書いたけど、実によく似てきました。

父親を念頭に置いて立案したのでしょうか?
はまり役と言える出来でしたよ。

3. ひま♪ - 2012/07/31

エーーそんなにあるの?って思ってググって来ました
有るんですね
四国って案外広いってことが判明した瞬間(笑)

うちから青森より歩く事を知り、ある意味ビックリ( ; ゜Д゜)
徒歩だと40日らしいです。
四国八十八ヶ所の本を買って、本気で勉強しようかと思います。

今は犬がいるから行けないけど夢は沢山の方が良いですからね
恋多きよりも夢多き人になりたい。
妄想の旅は楽しいです

Master - 2012/08/01

>ひまちゃん
そう、そんなにあるんだよ。意外だね。

四国に行ったら徳島で阿波踊りを踊って、香川で讃岐うどん食べて、愛媛で道後温泉に入って、高知で四万十川下りをしてきてちょうだい(笑)。

いや、コメント「恋多きよりも夢多き人になりたい。」ここがポイントか☆

4. cumin - 2012/07/31

チャーリー・シーンのお父さん
最近のチャーリーは評判悪いので、他の家族には頑張ってもらいたいです☆

こういうしんみりと人生を考えられる映画も良いですね~
山の上から雲を見下ろす景色って素晴らしいでしょうネ・・・☆
いつか体験してみたいけれど、体力が(><)

フォレ - 2012/07/31

こんばんは
映像とか、美しそうです。
そして、アラニスのサンキューが好きです☆

Master - 2012/08/01

>フォレさん
コメント””Thank U”です♪
ストーリーそのものは単純なんだけど、いわゆるロード・ムービーとしての映像の移り変わりなどが見所でもあるかな。
数ヶ月に及ぶ旅なのに、季節感に乏しかったのが「?」でした。

Master - 2012/08/01

>cuminちゃん
あはは、チャーリー・シーンは一族中のお騒がせ部門担当だね。
お父さんも社会的活動やら何やらで50回以上の逮捕歴の記録がある人だから、似なくていいところが似ちゃった?
まぁ、チャーリーも数年前に「5000人以上の女性と寝た」っていうスゲー記録があるみたいだけど(ホントかよ)。

スペイン山岳地帯や丘陵地帯の風景も素敵だった。
行ってみたいなぁって思いましたよ~。


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