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『バルテュス展』 2014/04/24

Posted by Master in Art.
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数日前から風邪をひいてしまって、元気とは言いがたい日を送っています。
それでも今日あたりはいくらか症状が治まってきたので、上野まで出かけてきました(どうかぶり返しませんように)。
目的地はここ。
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名前だけは知っていたけど作品はほとんど見たことがない、バルテュスの回顧展が開催されている都美へ。
昨秋の『ターナー展』以来の訪問です。
まずまずの気候とあって、上野公園は平日の日中にもかかわらず結構な人出でした。

バルテュス(本名バルタザール・クロソフスキー・ド・ローラ)は20世紀中期を中心に創作活動を成した、フランス・パリ生まれの画家です。
風景画、静物画などにも優れた作品を残しているほか、「この上なく完璧な美の象徴」として描き続けた少女をモチーフにした多くの作品で、他に並ぶ者のない独自の作品世界を作り上げています。
…なんてことは泥縄式に後から知ったことで、とりあえず本展の感想と印象に残った作品などを記します。

展示室の構成は4つの章立てになっていて、各章の合間に素描を集めたコーナーや、スイスに構えていたアトリエの再現コーナー、彼が身近に置いていた愛用品の数々を実物と写真で紹介するコーナーなどが配されています。
第1章では、彼がまだ十代の頃に描いた、少年と「ミツ」という名の猫の物語の挿絵に始まり、風景や静物、宗教などに題材をとった油彩、布と木で作られた人物像などが並べられています。
ここで面白いなと思ったのは、街中の広場を描いた作品で、普通なら少しでもその風景の空間的な広さを表そうと横長にカンヴァスを置きそうなものなのに、なぜか縦長の画面に風景を収めているもの。これは窓から見た風景ということだったのかな?

第2章は「これぞバルテュス」といった作品がふんだんに展示されており、ここが最も見応えのあるセクションでしょう。
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1.『美しい日々』暖炉の前の椅子に座って手鏡を見ている少女。それだけなら何ということもないのですが、暖炉に薪をくべている男がいることでなんだか落ち着かない空気が感じられます。
2.『猫と少女』猫もまた少女と並んで、バルテュスが好んだモチーフです。
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3.『夢見るテレーズ』無防備なと言うか、あられもない姿ですが、女性としての自我が芽生える前の少女にしかない無垢な何かにバルテュスは惹かれたのでしょうか。
4.『金魚』ここにも猫が登場。
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5.『猫たちの王』なるほど足元の椅子に立てかけられたカンヴァスに”THE KING OF CATS”と書いてある。猫は親愛の情を示していますが、椅子の上にあるのは鞭?
6.『鏡の中のアリス』これは高さが160cmくらいあって、かなりの存在感を放っていました。
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7.『地中海の猫』とあるレストランに飾るために描かれたものだとか。虹から飛び出た7匹の魚が飛び込む皿を前にした「猫男」。ずいぶん大きなロブスターですね。
8.『「ミツ」のための40枚の絵より』これがバルテュス少年の作品。ハチワレみたいに見えます。
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9.『決して来ない時』画面に描かれた二人の女性の関係とか、タイトルの意味とか、難解な感じがしますがどういうわけか印象に残る作品。

第3章と第4章は、フランス、イタリア、スイスとヨーロッパ各地を転々としながら創作を続けた彼の足跡をたどりながら、それぞれの地ゆかりの作品や、日本人女性を妻としたことの影響もあるであろう日本の浮世絵の学習成果が顕著な作品などが並べられています。
中でも『朱色の机と日本の女』と題された1枚は、西洋画ではめったに見ない(使われない?)朱の鮮やかさが目を引く作品でした。

ほとんど予備知識のないままでの鑑賞でしたが、それだけに先入観なくニュートラルな気持ちで作品を観ることができました。
モチーフの取り方や表現に作者独自のセクシュアリティがあるだけに、好き嫌いの分かれる画家だろうなと想像はつきます。
しかし絵画や芸術において「官能」というのは神代の昔から続く永遠のテーマでもありますし、個人的にはバルテュスという人とその作品を知ることができて、とても満足度の高い展示会でした(自分の官能のツボではなかったけどね)。

『バルテュス展』は東京・上野の東京都美術館で2014年6月22日まで開催中。
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コメント»

1. しまこ - 2014/04/24

私も泥縄式なのですが^^;なかなか魅力的ですね
3と7の絵はなんかの記憶にあるような気がします
良い春の日だったようで(^-^) 
私も行った気になれました。いい記事をいつもありがとうございます

Master - 2014/04/26

>しまこさん
すごく読みづらい文章だと思うんですが、そう言っていただいて恐縮です。
よく見るとデッサンとかバランスとか微妙なのに、全体として不思議にしっくりしてたりするんですよね。
幻想的な感じもいいでしょう?

泥縄、万歳☆


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