jump to navigation

棚から1冊~『ファイナル・カントリー』 2015/09/30

Posted by Master in From my bookshelf..
trackback

DSC_0214

『ファイナル・カントリー』
ジェイムズ・クラムリー 著
小鷹信光 訳
早川書房

手強い1冊でした…。
クラムリーは多作家ではありませんでしたが、その生涯に「ミロドラゴビッチ・シリーズ」と「シュグルー・シリーズ」という、二人の私立探偵を主人公にした魅力的なシリーズものを発表しました。
どちらかと言えば、個人的にはシュグルーの方が好きで、特に代表作『さらば甘き口づけ』は、登場人物・背景・ストーリー・味付けが見事にまとまっていた傑作でした。

この『ファイナル・カントリー』はミロドラゴビッチが活躍するシリーズで、初老に差し掛かった我が身(ストーリー中で60歳の誕生日を迎えます。それも入院先の病院で)を嘆きながらも、血生臭い修羅場に身を投じて、己の矜持を頼りに事件解決に奔走します。
まぁ、これだけなら「よくあるお話」レベルなのですが、十重二十重に肉付けがされていて、相当に噛み応えのあるミステリに仕上がっています。
登場人物の数が多い上に、人間関係が絡まりあい、しかも以前のシリーズから引き続き登場しているキャラクターの紹介や説明はないので、人物配置を頭に入れるだけで一苦労。
ストーリーは適当に文字だけを追っていると、あっという間に粗筋さえ解らなくなる。
しかも、結構なページ数ある長編ですので、心して読まなければなりません。

などと言うと読む前から嫌になりそうですね。
でも、そういった困難をおしてでも途中で投げ出したくなるわけではなく、背景となるテキサスの街や自然の描写、人物造形、伏線の張り方などが読む者を飽きさせません。
ミステリ入門者にはオススメしないけれど、読み応えが欲しい向きには一読の価値ありでしょう。
ただし読むならば、シリーズの順を追って、この世界観を掴んでからの方が良いと思います。

私的評価=★★★☆

広告

コメント»

No comments yet — be the first.

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。