たった五文字の追伸

贈り物 2014/07/19

喫煙者の肩身は狭くなるばかりの今日ですが、マナーには気をつけているし、健診で禁煙を言い渡されるほどのヘビースモーカーでもないので、喫煙習慣は今でも続いています。
喫煙具に人一倍こだわるわけではありませんが、持ち歩くライターはここ30年Zippoばかり。
長年の間に幾つものZippoを手にして来て、失くしてしまったものもあれば（酔っぱらってタクシーに置き忘れたり、ハンバーガーショップのゴミ箱に捨ててしまったり）、他人にあげたり、どこかに仕舞いこんで行方不明のものもあります。

今現在、常に持ち歩いているのはこのふたつ。

左のは天使の羽根のレリーフが付いた重厚なもので、右のは真鍮にヘアライン仕上げの黒い塗装が施されたもの。
どちらも表面がくすんだり、無数の傷がついたり、右のに至っては塗装が剥げてお世辞にも綺麗とは言えません。
でも、傷になろうが剥げようが、どちらも愛着があって手放せません。
ひとつにはZippoという道具としての魅力があるからで、この使い心地は何物にも代えがたい。
そして手放せない何よりの理由は、とても大切な人からの贈り物だから。
たぶん将来禁煙を余儀なくされたとしても、このふたつのZippoはずっと手元に置いておくことでしょう。

自分にはこんな風に思える贈り物があるって、とても誇らしく嬉しい気持ちになると同時に、自分が贈ったものを同じように感じてくれる人はいるのかなぁと、ふと考えてしまう夏の夜です。