jump to navigation

棚から1枚~”BEATLES FOR SALE” 2013/03/02

Posted by Master in Music Book.
4 comments

upload20130107
“BEATLES FOR SALE (2009 Stereo Remaster)”
The Beatles
(Parlophone)
01 No Reply
02 I’m A Loser
03 Baby’s In Black
04 Rock And Roll Music
05 I’ll Follow The Sun
06 Mr. Moonlight
07 Kansas City / Hey, Hey, Hey, Hey
08 Eight Days A Week
09 Words Of Love
10 Honey Don’t
11 Every Little Thing
12 I Don’t Want To Spoil The Party
13 What You’re Doing
14 Everybody’s Trying To Be My Baby

「隠れた名盤」と呼ばれることの多いこのアルバム、別に隠れちゃいないし隠そうともしていないでしょう。
「地味なアルバム」と呼ばれることも多いですが、その点では確かにそういう印象はあると思います。
派手なシングル・ヒット曲が入っているわけではないし。

とは言えこの”BEATLES FOR SALE”は個人的には結構好きなアルバムです。
何といっても前作”A HARD DAY’S NIGHT”から引き続いて、ジョンが疾走してますね(ただし前半まで)。
01、03、05、08のようなオリジナル曲に魅力があるし、ロックンロールやカントリー・タッチのカバー曲の「手馴れた感」溢れる余裕の演奏も実に気持ちがいい。
カバーのうちでもジョンが歌う”Rock And Roll Music”と、ポールがリードを取る”Kansas City / Hey, Hey, Hey, Hey”、この2曲のロックンロールが二人の持ち味を引き出していて素晴らしいです。
前者はスピード感のある曲ながらジョンはいとも容易く歌い切り、後者でのグルーヴに乗ったポールのヤクザな歌いまわしは迫力があります。
ジョンは素晴らしいロック・シンガーだと思いますが、07や”I’m Down”、”Helter Skelter”、ウイングス時代の”Soily”などを聴くと、「キレた時のコワさ」はポールに軍配が上がるなと思います。

さておき、1987年の初版モノCDと2009年ステレオリマスター版との比較ですが・・・。
細かなバージョン違いはさて置き(置くのかよ。笑)、一聴しての印象は”A HARD DAY’S NIGHT”のリマスター版と同様の、音の分離は良くなったけど迫力がいまいち、というものでした。
ただし、それぞれの楽器の音質は前作よりも格段に向上して聞こえます。
特にギターの音がいい!
個人的に一番好きなのは12でのジョンのアコースティック・ギターとジョージのエレクトリック・ギターのアンサンブル。
ジョンが弾いているのはギブソンかな?ジョージはリッケンバッカーですね。
モノ版では分離が良くなかったけれど、ここでは高音を効かせたイコライジングが奏功しています。
そしてもうひとつは、初期の「アーウー・コーラス」に比べて格段に比率を増した「字ハモ・コーラス」がよく聞き取れるようになったこと。
08は言うに及ばず、05や11での息の合ったハモりはお見事としか言いようがありません。

いやいや、こうして実際に聴きながら書いていると、次々に発見があるものですねえ。
アルバム単独で聴く限り、全く「地味」ということはないです。
やっぱり好きだな、これ。

私的評価=★★★★