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『ラファエロ』 2013/03/06

Posted by Master in Art.
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今年は日本でイタリア・ルネッサンス美術の三大巨匠の展示が相次いで開催されます。
皮切りとなるのが先日3/2に上野の西美で開幕した『ラファエロ』。
春休み前に行っておきたかったので、晴れた休日の午後に出かけて来ました。

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午後イチに訪ねたのですが、チケットブースは並ぶ人もなく、すんなり入場できました。
会場内はそこそこの入りで、平日の日中にしては多い方なのかな?という印象。
さて……。

今回のコレクションは23点のラファエロ作品が一度に観られるという、かつてない規模のものです。
中でも目玉は、500余年の時を経て初来日する、美術の教科書にも載る代表作『大公の聖母』。
代表作とあって目にする機会も多いので、些か新鮮味に欠けるかなと思っていましたが、なかなかどうして予想以上に鮮やかな発色とたおやかな存在感でした。
素描による習作が併設展示されていたのも興味深かったです。

他には若き日の『自画像』、ラファエロ17歳頃の作品ながら優雅な『天使』、意外に小さかった『エゼキエルの幻視』、『聖家族と仔羊』など、彼のキャリアを俯瞰できる構成になっていました。
絵画以外では、彼が下絵を描いたヴァチカン所蔵の見事なタペストリーは見応えがありましたね。
また、彼の最初の師であるペルジーノの作品や、後輩にあたるジュリオ・ロマーノらの作品などもフォローされており、ラファエロが受けた影響と与えた影響も見ることができます。
師匠の作風をマスターし、同時代のダヴィンチやミケランジェロからもおいしいところを吸収して「模倣の天才」と呼ばれた由縁がよく解る構成とも言えるでしょう。

これだけの数のラファエロ作品を一ヶ所で観られる機会はそうあるものではないと思います。
贅沢を言えば『マリアの結婚』や、頬杖をついた天使で有名な『サン・シストの聖母』、『アレクサンドリアの聖女カタリナ』なども観たかったなぁ。
そうそう、三大巨匠の他の二人、ダヴィンチは4月に上野の都美で、ミケランジェロは9月にやはり上野の西美でそれぞれ展示会があります。

『ラファエロ』は上野の国立西洋美術館にて2013年6月2日まで開催中。

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